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個人開発の小さなサイトにロリポップ!(LiteSpeed / PHP)を選ぶ理由

以前、個人開発の小さなサイトに Cloudflare Pages を選んだ理由 を書きました。静的ホスティング+エッジ関数は強力で、今でも用途次第で第一候補です。ただ、個人開発の置き場所は それだけではありません。「普通のレンタルサーバー」を選んだほうが素直に楽な場面もあります。 今回はその反対側——ロリポップ!のハイスピードプラン(LiteSpeed / PHP)を採用する理由を、 「どういうときに手を伸ばすか」という観点でまとめます。

先に結論を言うと、ホスティングは『どっちが偉いか』ではなく『そのサイトに何が要るか』で選ぶ、 というだけのことです。サーバー側の処理(PHP やメール送信)が少しでも要るなら、レンタルサーバーは驚くほど引っかかりが少ない。

1. PHP がそのまま動く — 小さなサーバー処理を 1 か所で完結できる

いちばん大きいのはこれです。お問い合わせフォーム、簡単なバリデーション、軽いリダイレクト処理—— この程度の「ちょっとしたサーバー処理」を、別サービスを立てずに同じサーバーの中で完結できます。 静的サイト+エッジ関数の構成も良いのですが、「処理が 1 つの箱に収まっている」状態は、 1 人で長く保つサイトでは安心感がまるで違います。contact.php を 1 枚置けば終わり、というのは楽です。

2. メール送信が「普通に」できる

個人サイトのフォーム 1 つのために、外部のメール配信 SaaS にアカウントと送信経路を握られるのは、だんだん大げさに感じます。 レンタルサーバーなら PHP の mb_send_mail() がそのまま使えて、自ドメインのアドレスから運営の受信箱へ素直に飛びます。 運営宛ての通知に加えて、送信者への受付確認メール(自動返信)を出すくらいなら、サーバーの素のメール機能で十分です。 送信経路を 1 つの外部サービスに固定しない——これは、ホスティングを後から変えても困らないという意味でも効いてきます。

3. LiteSpeed なので静的配信も速い/HTTPS も自動

「レンタルサーバーは遅いのでは?」という心配は、最近のプランではだいぶ薄れています。ロリポップ!ハイスピードプランは Web サーバーに LiteSpeed を採用していて、素の HTML / CSS / 画像の配信は十分に速い。 独自ドメインの HTTPS(無料 SSL)もサーバー側で自動化されているので、AdSense 審査の「HTTPS で配信されていること」も 追加作業なしでクリアできます。キャッシュ制御(静的アセットは長期、HTML は再検証)も .htaccess で素直に書けます。

4. コストと「相乗り」

個人開発は、サイトが少しずつ増えていきます。レンタルサーバーは1 契約に複数ドメインを相乗りさせられるので、 小さなサイトを立てるたびに課金先が増えていく、ということがありません。月あたりのコストが読みやすいのは、 長く続ける前提だと地味に効きます。

5. デプロイは「作り込める」

レンタルサーバーというと「FTP で手アップロード」を思い浮かべるかもしれませんが、そこは今どきちゃんと作り込めます。 僕は、サーバー上に bare な git ミラーを置き、deploy.sh を 1 回叩くと 「最新を取得 → 公開用ディレクトリへ書き出し → シンボリックリンクの切り替えで現行リリースを原子的に差し替える」 という流れにしています。cron は使わず、叩いたときだけ動く。GitHub 側で PR を回してマージし、 サーバーでは deploy.sh main 一発。これで「更新の途中状態」がユーザーに見えることもありません。 SSH さえ使えれば、レンタルサーバーでもこのくらいの体験は普通に作れます。

6. 落とし穴も正直に — 共有サーバーは「無い前提」で書く

良いことばかりではないので、ハマりどころも書いておきます。共有レンタルサーバーは、ローカルでは当たり前にあるコマンドが 入っていないことがあります。実際、デプロイスクリプトが realpath: command not found で落ちたことがありました。 対策はシンプルで、パスを正規化する処理を多段フォールバックrealpath -mreadlink -m → 生のパスを使う)にしておくこと。 教訓は「あるはずのコマンドを前提にしない」。ローカルで動いたスクリプトをそのまま持っていくと、こういう所で足をすくわれます。

結論: Cloudflare とレンタルサーバーは「使い分け」

というわけで、僕の中では今こうなっています。

  • 純粋な静的+エッジで、速さと無制限帯域が欲しい → Cloudflare(Pages / Workers)
  • 普通のサーバー処理(PHP・メール)を 1 か所に収めたい/ドメインを相乗りさせたい → ロリポップ!のようなレンタルサーバー

ツールは宗教ではないので、プロジェクトごとに気楽に選び替えるのがいちばんだと思っています。 「動的処理がちょっと要る小さなサイト」を素直に置きたいなら、ロリポップ!は今のところ引っかかりの少ない選択肢でした。 次は、ここで触れたデプロイスクリプトの中身(原子的リリースの作り方)あたりを、もう少し具体的に書く予定です。